2025年4月から、デザイン系専門学校でマーケティング科目を担当しました。4〜7月を駆け抜けてみての所感を、今後の自分へのメモと、これから教育に関わる方への小さな共有としてまとめます。入口のハードル:知識ゼロからのスタート受講生の多くは、Webやビジネスの前提知識がほぼゼロ。 その状態から「マーケティング思考」を理解してもらうのは、想像以上に難易度が高いと感じました。とくに、ビジネス・商流(誰が価値をつくり、誰に届け、どこでお金が動くか)お金の流れ(売上・原価・経費・利益の関係)KGI/KPI と タスク の対応関係といった“構造”の理解は、実体験がないぶん抽象に見えやすく、腹落ちさせるのに時間がかかります。それでも伸びる。頭がスポンジな吸収力一方で、吸収力はとてつもない。良い例・良い問いを提示すると、一気に学習曲線が立ち上がる。アウトプットの質が授業単位で目に見えて変わる瞬間が何度もありました。最初は「?」だった用語や枠組みが、数回の演習で自分の言葉になっていく。若い感性と素直さは、教育現場の最大のアドバンテージだと実感しました。置いていかない設計:わからないまま進めないマーケティングは概念が積み上がる学問です。一度でも“わからない”を残したまま進むと、追いつけない学生が完全に置き去りになります。そこで、毎回の小テストやミニふりかえりで理解度を可視化同じテーマを 個人→チーム と段階的に演習共有タイムで「なぜそう考えたか」を言語化させる…といった仕掛けで、理解の段差をできるだけ平らにする工夫をしました。クラス運営の難しさ:バランスをどう取るかクラスには、・どんどん前に出るタイプ・考え込んでから話すタイプ・手は速いが荒いタイプ・仕上がりは遅いが精緻なタイプが共存します。スピード感と丁寧さ、個の挑戦と全体の歩調。このバランス取りは永遠のテーマです。授業では、到達目標を二層構造(必達ラインと挑戦ライン)にし、全員が“できた”を持ち帰りつつ、伸びたい人はさらに伸ばせる設計を意識しました。チームワークは“技術”だデザインもマーケも、最終的にはチーム戦です。繰り返し伝えたのは次の3点でした。立ち回り方:役割を固定しすぎない。状況を見て前にも後ろにも回れる柔軟性。相手の尊重:意見を“否定する”のではなく、“意図を読み替える”。合意形成の言い換え力。自己主張:沈黙は合意ではない。反対も賛成も、理由と言葉をセットで出す。この3点が回り出すと、アウトプットの密度が一段上がります。見えてきた差:タスク管理・目標管理・向上心プロジェクトを動かすほど、管理と姿勢の差が成果に直結します。タスク管理:ToDoを並べるだけでなく、依存関係と締切逆算まで落とし込めているか。目標管理:KGI/KPIに対して、測れる設計になっているか。向上心:指摘を“守るべきルール”としてだけでなく、次の提案に変換できるか。ここが強い学生は、成果物もコミュニケーションも安定していました。1学期の手応えと、これから結論、みんな個性が光っていて、育てがいがある。楽しい。かわいい。 実務の現場を知る者として、1人でも多くが志望する業種・職種へ進めるよう、引き続き伴走します。けど、現場は待ってくれません。締切も、品質も、成果も、すべてが“本番”です。だからこそ、自分で調べ、仮説を立て、動いてみる 自走力言われたことを超えて価値を足す プラスアルファの発想失敗を早く小さく経験し、学びに変える 反省と改善の速度この3つを、後期以降はさらに鍛えていきます。最後に教育は、教える側も常に学び直す営みです。学生の伸びは、講師の設計とファシリテーション次第。彼らのポテンシャルを最大化できるよう、私自身もアップデートを続けます。